走査型アトムプローブによるCNTの分析

 走査型アトムプローブの分析結果は下のような質量/電荷の比(Mass to Chatge : M/n)として得られます。例えば炭素であれば、電荷が1価のときは、炭素の原子量は12なので、12/1=12となり、12のところにピークが現れます。また、炭素は他に2価、3価、4価がありますので、それぞれ6、4、3のところにピークが現れます。ご理解頂けたでしょうか。
分析結果に対する考察

 今回分析した試料は、あるところ(正式な名称は公表できないため)から頂いた多層カーボンナノチューブ(MWCNT)です。結果を見る限りでは、水素が大量に検出されたので、良質の水素吸蔵材となるだろうという、結論になりました。しかし、MWCNTは単層カーボンナノチューブ(SWCNT)にくらべ、水素の吸蔵量が少なく、水素吸蔵材としては向いていないといわれているため、ホームページ製作者には「本当にMWCNTだったのだろうか」という疑問が残りました。