長尾流抜刀術について
長尾流抜刀術は、加賀藩本多家の家臣で七十石を領していた山本家に、「秘伝の抜刀術」として代々伝えられてきたものでした。 古代では甲冑の隙間を狙う脇への斬り上げと突きのみでしたが、これに斬り下げや袈裟切りなどを加えたのが正伝長尾流抜刀術です。
長尾流躰術について
長尾流躰術は全手段のうち、若干の例外を除き、相手の刀法操作を封じる、あるいは死角に入り、相手を圧倒していくものです。 このことは柔術系古武道諸流派と異なっていて、相手の正面では勝負をしない長尾流体術独特の体捌きです。 長尾流躰術には二十四手段、十二手段、取捨変化業、勝負二十ヶ条、大詰十五ヶ条があります。 居合、立合、伏合(寝業)の三区分から順に、間合いの近いものから遠いものへ、 更に体の相対位置の違う場合の組み口を、先に述べた当流独自の体捌きで制していきます。
長尾流鐵貫について
鐵貫
鐵貫はいわゆる「握り物」といわれる小武器に属し、隠し持って攻撃や防御をします。 長尾流躰術では七宝のひとつに数えられています。 二刀流で有名な剣豪宮本武蔵が晩年、所持していたとされている懐剣は、長尾流の懐剣と称されていて、この鐵貫をヒントに作成されたとされています。
鐵貫の業は躰術の技を変化させ、鐵貫用に昇華させたものです。