略略
ODとは、2022年度2月で一旦の区切りをつけたOur Dream 1(OD1)や今年度製作予定で設計段階に入っているSV (正式名称:Our Dream 2 salvad)を含むメカサポにおける「実際の災害現場で運用可能なロボット」の型式です。
そもそも、実際の災害現場で運用可能なロボットとは、レスキューロボットに分類されるものであり、レスキューロボットの中
にも求められる役割や形状が幅広く存在します。
形状だけで言えば、サブクローラ付き、ヘビ型、小型のロボットなどがあり、役割だけでも作業、探査、搬送など
様々なものが挙げられます。
では、厳密にODは何なのか。
それは、実際の災害現場で必要とされる要素を洗い出し、それを擁するロボットを設計、開発、運用方法の確立を目指すためにMSにて製作されるロボット群です。
ODについては、年度によってロボットの形状が大きく変わることも考えられますが、
2022年度においては、「作業、探査を目 的にした実用新機OD2―SV」と「探査に重点を置いた小型機」の完成を目標に
活動するというものであります。
さて、今年製作するSVには、作業、探査の役割を担ってもらうのですが、これは意外と難しい両立であったりします。
なぜかというと、作業ロボットというのは、安定性や移動手段以外の作業に割り当てることのできる要素を必要とします。
実用新機では、マニピュレータがそれに該当します。
対して、探査ロボットには敏捷性や軽量性が求められます。
そのため、この二つの相反する役割を実用新機に完全に対応させることはできません。
さて、後はバランスの問題になるのですが、ここでOD1について紹介しておきます。
まずOD1とは、2017年度から2021年度までに製作された実用機です。 この機体には、形態による長所はあるのですが、重量など大きな欠点もありました。 具体的な長所としては、耐衝撃性、耐振動性、不整地面から本体への影響の少なさなどがありました。 これらは、本体内部にある精密機器を守ることや、本体に取り付けられているマニピュレータやセンサー類の外乱に対する 安定性に大きく寄与していることが考えられます。 しかし、OD1には63㎏の重量があり、大きさについても大体1m平方×高さ0.4m程度ありました。 これがOD1の探査ロボットとしての能力には不足を感じる要素でした。 しかし、それさえ改善できれば作業ロボットとしての役割を保ったまま、探査ロボットとしての役割にもより貢献できるのです。
さて、SVについてのお話に戻ります。 SVの役割は、作業ロボットに探査能力を付加するものという考え方をするとわかりやすいです。 そのため、実用新機には、OD1に引き続き災害現場で作業をすること、次点で現場周辺を探査し、人身による救助活動が可能か どうかなど次の行動へのハードルを下げることに寄与させます。 以上がメカサポにおけるSVの概要です。以下に、実用新機を製作するにあたっての主な班を紹介します。