人工しっぽ
なにかに使えそう・・・
人工筋肉というキーワードで検索していたら、こんなものが見つかりました。電流を流すとまるで筋肉のように縮む線材で、バイオメタルという名前がついています。デモ用として音に反応してアームが伸びるものが売られています。
ちょっと動かしてみましょう。
電流を流すだけで縮む。すごーく、簡単。エンジニア心をくすぐるなあ。うーん、なにか面白い応用はないかな・・・
そうだ、しっぽ!
いきなりロボットの手や腕ではちょっとたいへん。あまり役に立たないけれど、しっぽはどうでしょう。うれしい時やかなしい時などに反応して動くしっぽ。日本人はなかなか感情を外にだすのが苦手だけれど、これがあれば一発でその人がどう思っているかわかってしまう。「おお、なかなかかわいいやつじゃのおー」と、会社でも大うけまちがいなし。
感情を検知するには、脳波や心電、血圧なんかが使えそうかな。ネコや犬の耳型脳波電極なんかと組み合わせたら面白いかも。
とにかく何か作ってみましょう。
脳波と組み合わせるとなるとこれはもう立派なBMIになるかな。システムブロック図的には下図のようになります。
駆動回路といってもただ電流を流すだけ。ただし、通常の電圧増幅用オペアンプ程度の出力インピーダンスではちょっとパワーが足りないみたい。トランジスタを使って少々電流増幅する必要があります。それから、単一極性するために絶対値回路と平滑回路があった方がよいかな。例えば、単純にα波のパワーに比例してシッポが振れるようにするには、脳波をα波帯域に制限するバンドパスフィルタと絶対値回路、平滑回路、電流増幅器があればできそう。アナログ回路でBMIができちゃった、ということに。じゃあ、早速作ってみますか...回路を考えて、パーツを用意し、半田付け、ちょっと面倒だなあ。
そういえば、このデモ機には駆動回路がついているじゃない。マイクをはずして脳波出力をそのままつないだらいいんじゃないの。まてまて、それでは回路を壊してしまうかも。ちょっと高かったし、もったいない。おっ、そうだ、脳波を音にしたらいいんでないの。
いきなり脳波ではちょっとたいへんなので、筋電でためしてみましょう。まずは筋電の観測。
筋電電極の貼り付け
筋電波形
じゃあ、音にしてみましょう。オーディオアンプとスピーカを用意して・・・。その前にどんな音なのか聞いてみましょう。ちょうど手元にクリスタルイヤホンがありました。ザー、という感じできれいな音ではありません。ちょっと無理かな・・・。えーい、面倒だ、これをこのままマイクに近づけてしまえ。
筋電アンプのゲインとフィルタ定数をいろいろ調整して・・・。うおっ、なんか動いたぞ!
原理実験は成功ということで、これをシッポの形にすれば人工シッポのできあがり。えっ、脳波で動かさないの? それはまたの機会ということで。