お前はすでに決まっている!
運動準備電位
手や指を動かすときに、動かそうと思った時よりも約0.5秒くらい前から脳は動かすことを決めている。つまり、その人が動かそうと思う以前に動かすことは決まっている。これを証明するものとして有名な脳神経活動として運動準備電位というものがある。この活動をうまく利用すればその人が意識する前に行動を予知することができるかもしれない。本人はどう感じるか分からないが(興味深い話しではあるが)、少なくとも外部からみるとその人の行動を予知したことになる。具体的なイメージとしては、絶対に勝つじゃんけんマシーンとか、武道でいう「先の先」つまり相手が攻撃を仕掛けるのを予測して先に仕掛けたりする装置、プラント制御おける危険操作防止装置などに応用できるかな。
試しに計ってみましょう。
それではMEGを使って運動準備電位(この場合は磁場)を計ってみましょう。右手と左手にそれぞれスイッチを持ち、人差し指を動かした時刻を記録できるようにします。右と左の人差し指をランダムに適当な間隔で動かします。動かした瞬間を0としてそれぞれの脳磁場波形を加算平均します。
MEG生データと指動かしタイミング
運動関連誘発磁場(加算平均結果)
運動準備磁場コンターマップ
加算回数が少ないのであまりきれいな波形とは言えませんが、指を動かす前にじわじわと変化する波形がみられます。
強引に。
それでは例によって、この加算平均データを使って指を動かした時刻を推定してみましょう。
まあ、そこそこいけるかな。アルゴリズムは音のときと同じで、特に改良していません。いい加減何か直したら・・・ なお、このときの加算平均データは指を動かした後の反応(運動関連磁場MF)が含まれており、おそらくこの反応によって識別されているものと思われます。が、しかし、それをあえて無視して、指が動く前ののデータを使って強引に推定してみると。。。
指が動く前約100ms以前のデータを使用
運動準備準備磁場のみによる推定(左人差し指)
うーん、やっぱり苦しいですね。でも、よーくみるとちょっとピークがありそうな・・・。可能性は0ではなさそう。今流行のERDとかERSを併用したらいけるかも。
おまえはすでに・・・