今日では、多くの分野で環境問題や資源問題への取り組みが強化されています。生産現場では、問題への取り組みとして省エネ化が進んでいます。生産現場の主要設備である工作機械の消費電力はモータやクーラントなどの割合が大きく、そのため、これまではそれらの効率を上げることで省エネを実現することが進められてきました。しかし、この手法では機械自体の入れ替えなど期間やコストが大きくかかってしまう問題があります。一方で工作機械の送り駆動系における消費電力の割合は低いが、実際には加工中に長時間駆動されるため、加工経路を工夫することで加工工程全体の省エネ化に繋がると考えます。
そこで本研究では、5軸工作機械による複雑形状の加工において、工作物設置位置によって送り駆動軸の動きが大きく変わることに注目し、工作物設置位置による消費電力を測定し、最適な設置位置を検討します。