耐候性試験に関する研究
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軟質ポリ塩化ビニルフィルムはポリ塩化ビニル樹脂(PVC),可塑剤,安定剤および各種添加剤を 混練して可塑化し,成形した軟らかいフィルムである. 特に温室の外張りなどに使用されるフィルムなどは,一旦展張されると常に屋外にあって風雨にさらされ, 直射日光を受ける宿命にあるので,フィルムへの要求性能を使用状態で長く保つ(耐候性)ことが不可欠である. 使用初期に如何に優れていても展張後急速に性能が劣化するようでは役に立たない. しかも劣化が進むと変色し,強度が低下する. |
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さて,PVCの耐候性に関する研究のうち,劣化機構については紫外線の照射によって主鎖の切断による 分子量の低下と架橋反応による不溶化が起こるとともに脱塩化水素反応に基づくポリエン構造の生成も起こり, PVCと可塑剤との相溶性が悪化して物性低下が促進されるという考え方でほぼ一致している. 可塑剤は蒸発,雨や結露水による抽出,付着した塵埃など異物質への移行および光・熱による 可塑剤自体の変質によって徐々に減少する. 可塑剤の減少に伴って軟質ポリ塩化ビニルフィルムは硬く,伸びにくくなるばかりでなく,衝撃を受けると破れ易くなる. しかしながら定量的で厳密な追跡結果はない. また,組成が明確なポリ塩化ビニルフィルムを用いた耐候性試験あるいは, それを考慮に入れた耐候性試験結果は極めて少ない. |
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そこで本研究では組成の明確な ポリ塩化ビニルフィルムを用いて屋外暴露試験を行い, 引張試験、色差測定、分子量測定をすることにより, PVCの耐候性について詳しく検討した. また屋外暴露試験によって得られた物性値と 暴露期間中の気象データとから多変量解析法を使用し, 物性値の予測も行っている. |
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多変量解析とは相互に関連する多数のデータを統計的に分類し,複雑なデータを簡潔に要約したり, データの背後にある現象の構造を明らかにするための方法を総称するものです. 本研究室では,多変量解析の一種である重回帰分析を用いて屋外暴露試験された 高分子材料の物性値の予測を行っています. 重回帰分析とは,いくつかの原因と思われるデータとそれらから得られる結果から関係式を算出して 結果の予測や結果からデータの予測を行う手法です. 具体的には原因 に気象条件(気温 ,
降水量 ,日照時間 )と採取回数を,
結果を物性値として関係式(重回帰式) を算出して,
物性値の予測が可能であるかを研究しています. ここで,
:定数項,
〜
:各項の偏回帰係数であり,重回帰分析する際に算出されます.
また, ,
,
,
であり,
は一ヶ月に一度採取し,
〜
は各気象データの総和を表しています.
実際の使用例として下記の表の引張強度と気象データで重回帰分析を行うと, |
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重回帰式は
となり,
この式に他の年の気象データを代入するのみでその年の物性値が予測可能かを研究しています.