白山甚之助谷地すべり予知
1.研究目的
白山甚之助谷では、大規模な地すべりの発生が懸念されている。この地すべりが発生すれば、大量の土砂が土石流となって流出し、白峰村に被害を及ぼす。さらに下流の手取川ダムに流れ込んだ土砂は、ダムの洪水調節機能を減少させ下流域で洪水の起こる頻度を増大させる事になる。本研究では地滑りが発生するか、否か、発生するとすればいつ頃かを予知し、その予知結果や甚之助谷付近の地質に基づいて、白山甚之助谷の地すべり特性を解明しようとするものである。
本研究では白山砂防計画と現地調査の結果から地表面、孔内傾斜計、堰堤で得たデータを使用し、川村らが提案した予知方に基づいて解析を行った。地すべりはクリープ挙動で近似できると言われる。そのため観測初期より予知解析を行う時点の直前のデータほど予知に対して有効な情報を提供してくれるので、観測値に重み付けをする手法を用いて、地すべり挙動を判定し、発散型地すべりの場合崩壊時間、収束型地すべりの場合は収束値を求める。相関係数は1.0に最も近い値とし、重み付けは0乗(重み無し)、1乗、2乗、4乗を採用し解析を行った。本年度は新たに川村法の精度を求める為、昨年度の予測値と今年度の実測値から誤差範囲を求め、その誤差を考慮した解析を行った。(観測点のデータ数を考慮し地表面のみに採用とする。
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