1.
公園の緑豊かな環境であり、周囲のどの方向から見ても絵になる建築でなければならない。また、建築のつくり方として、相撲の殿堂を建設するイメージではなく、まず公園に土俵があり、それに屋根が被さったようなイメージの場をつくることが望ましい。そこで、視線レベルを開放し、客席と土俵、さらに向うの樹木が一体のものとして見通せる透明感のある状況をつくりだした。
2. 新しい
計画の初期の段階で相撲場=和風表現という強い期待があったが、安易に瓦屋根をのせることは擬似和風の建築になる。そこで、和風にこだわらず、「相撲の様子が外からよく見え、同時に中の熱気が外に広がるような場つくる」ことが、新しい相撲場のイメージになると判断した。
3.
時間に耐える建築意匠の要件は「全景のシルエットや形態のプロポーション」にあると考え、これを二つの土俵空間が対峙・呼応する姿のシルエットや、各要素のプロポーションやコンポジションで表現した。
4. 8
8角形はどの方向からも同じ様に見え、8つに折れる各面がリズミカルに変化する受光面になる。また、土俵を囲む観覧席の一体感が演出でき、座席も効率よく配置できる。
5.
建築機能が求める象徴性を形態や空間に翻訳することが最も難しい。ここでは、屹立する8角形の外形や空間で、闘う場としての精神性、集う場としての高揚感を演出した。
6.