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" 学生一位奪還"
工学部 機械工学科 3年
エンジン班リーダー
吉原 光彦 Mitsuhiko Yoshihara
 こんにちは。2011年度エンジンエコラン大会リーダーを務めました吉原です。

 私がエンジンエコランに入ったきっかけは、オリジナルエンジンを製作し、学生クラス優勝を達成している技術力の高さに魅力を感じたからです。入ってから本当に沢山の事を勉強させてもらいました。エンジンの知識だけでなく、人との関わり合いも人間的に自分を大きく成長させてもらったと思います。

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 さて、タイトルの学生一位奪還につ いてですが、前年度の2010年度はstradale2年目で大幅なアップデートを施した年でした。
 しかし、思うような記録が達成することができませんでした。そして世代交代で私がエンジン班リーダーを務めることになりました。


 次の大会までに1年無い中で結果を残す為にはどうすればいいかを考えました。そこでオリジナルエンジンの生みの親である佐藤純一先輩のノートやエコランの活動計画書・報告書などを全て読み直し、設計思想や方向性を見直しました。その中で気付いたことは個々の性能は伸びているのですが、トータルバランスが悪いと感じました。

 そこで、2011年度の活動テーマを「検証と対策」とし「トータルバランス向上」を目指しスタートしました。
 
 北中試走では比較的良い記録が出るにも関わらず、大会で記録が伸びなかった原因を探るために、秋から春休みまでに車両・エンジンの特性を理解し走行方法の見直しを行いました。 

 そこで困ったのがデータが残っていないことです。世代交代が早いこともあってデータがしっかりと引き継がれていないことを痛感しました。


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 春休みから6月の間に作った製作物をベンチテスト、シャシローラーテスト、試走の順にテストして行き、良いものと悪いものを取捨選択していきました。

 個々のテストではデータと報告書を残していくようにしました。


 学業の方の専門実験のレポートもあり本当に忙しい毎日でした。

 順調なようで6月以降の試走などではトラブルが多発し、なかなか思うように先に進めませんでした。

 問題なくしっかりと走り切り、良い記録が残せた試走は広島大会1週間前の最後の試走でした。

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 残念ながら広島大会では大雨とパンクに悩まされG.E.ALTiCの記録を超えるための2400km/L台を狙うことはできませんでしたが、
2000km/Lは切らない安定した記録を出せることが証明されました。



 そして、茂木大会では絶好のエコラン日和となりました。

 エンジンのセッティングと走行シュミレーションを前夜のホテルの中でも試しG.E.ALTiCが茂木大会で持っている最高の2079.1km/Lにギリギリ及ばない1991km/Lが出ることが分かりました。

 残りは気合でもぎ取る気持ちで臨んだ予選でいきなり2716.7km/Lが出たときは、手が震えてキーボードが押せない位でした。

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 本戦の結果は2083.7km/Lで予選よりも記録が落ちてしまいましたが、それでもG.E.ALTiCの記録を超えることができ、学生一位を奪還できたことに感動しました。
 

 しかし、私は学生のプロジェクトは「終わり良ければ全て良し」は余り良くないと思っています。
 

 本田技研工業鰍フCVCCを開発した久米是志氏の言葉で「失敗は成功のもと、成功は失敗のもと」と言う様に成功のあとには失敗がつきものだと思っています。
 
 リーダーを務めるにあたって現状維持だけでも多くのエネルギーが必要だということを痛感しました。タイトルを否定するようですが、結果が全てではないと思います。

最後に、同氏の言葉ですが

「創造は科学ではない。図面化は科学で理詰めだが、理詰めでものはできない。最後のひらめきってのは苦労して初めて出てくる。」

ということを実体験させてもらったエコランプロジェクトに感謝しています。

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