ERG


 ERGとはElectro Retino Gramの略で網膜電位のことをいいます。網膜電位とは、眼の内部にある網膜というところの細胞(視細胞)に光があたると、この細胞が興奮して電位差(電気)が発生します。

 平間研究室・害虫班では、このERGを測定してどんな光の色に強く反応するか、どのくらいの明るさに反応するか、どんな光り方に反応するかなどの基礎的なものから、ゆらぎやパルスを付加した光によってERGがどのように反応するかという、応用的な測定まで行っています。

 このような実験装置でERGを計測しています。中央にあるのが実験個体のチャバネアオカメムシです。右奥にあるのが生体電位アンプ、中央上側にあるものが実体顕微鏡、手前左右にあるのがマイクロマニュピレータ装置です。
 チャバネアオカメムシに電極を挿入している様子を拡大して撮影したものです。
 ハスモンヨトウに針を刺して実体顕微鏡で覗き込むとこのような感じに見えます。目に挿入してあるのがタングステン線から作った針で先端の直径は約10[μm]です。もう一方は銀線に塩化銀膜を施したもので、先端の直径は約100[μm]、これを頸部に挿入します。
 複眼の部分をもっと拡大するとこんな感じです。
ERG信号測定機器の略図
ソフトプレートワックス(粘土のようなもの)に固定されたチャバネアオカメムシ。
 害虫班がERGの計測に使用している生体電位アンプです。平間先生が設計されたもので、最高2000倍まで信号を増幅できます。